日本のシェアハウスで快適に過ごすための掃除ルール完全ガイド
日本での新しい生活、特にシェアハウスでの暮らしは、異文化交流やコスト削減の面で非常に魅力的です。しかし、多くの外国人入居者が直面する壁があます。それは「掃除」です。
「誰かがやってくれるだろう」という甘い考えは、日本のシェアハウスでは時に深刻な人間関係のトラブルを招きます。この記事では、日本でのシェアハウス暮らしの経験豊富な日本人の視点から、日本のシェアハウスにおける掃除のリアルと、掃除に関してストレスなくシェアハウス暮らしでの良好な人間関係を保つためのノウハウを徹底解説します。
なぜシェアハウスの掃除トラブルは起きるのか?
シェアハウスにおけるトラブルの約7割は「掃除・ゴミ出し・騒音」に集約されると言っても過言ではありません。なぜこれほどまでに掃除が問題になるのでしょうか?
- 清潔感の基準(Standard of Cleanliness)の違い: 日本人は一般的に、公共の場を「次に使う人のために」綺麗にする教育を受けています。日本の場合は、小学校、中学校、高校ともに教室や廊下、学校によってはトイレまでを、掃除業者ではなく生徒自身が掃除するという環境で育っているため、自分で汚した共有部分は自分自身が片付けるという習慣があります。一方で、この感覚は国や文化、育った環境によってはそもそも持ち合わせていないものです。
- 無意識の「フリーライダー」化: 誰かが掃除してくれる環境に甘え、自分は何もしない住人が一人でも現れると、真面目に掃除をしている住人の不満が爆発します。私が以前住んでいたシェアハウスでも起こったことですが、このような人がいるシェアハウスでは人間関係の深刻な対立が発生し、快適な生活ができるとは言い難いギスギスした家となります。
- ルールの曖昧さ: 「汚れたら掃除する」という曖昧なルールは、人によって「汚れ」の定義が違うため、必ず失敗します。
運営スタイルで変わる掃除の負担と仕組み
掃除に関するトラブルを解決する最良の方法は、シェアハウス選びの段階で決まります。
日本のシェアハウスには主に3つの清掃パターンが存在しますので、あなた自身が許容できる掃除の負担範囲の物件を選ぶことが非常に重要です。
管理会社が清掃業者を派遣する「フルサービス型」
中大規模のシェアハウスやソーシャルアパートメントに多い形式です。週に2〜3回、プロの清掃業者が共用部(キッチン、トイレ、シャワー、リビング)を掃除してくれます。
メリット: 常に一定の清潔さが保たれ、住人同士の掃除当番に関するストレスがほぼゼロになります。
デメリット: 共益費(Management Fee)が高めに設定される傾向があります。通常、月額 ¥15,000 ($98) 〜 ¥25,000 ($163) 程度が相場です。
注意してほしいのは、原則的にどの物件でもフルサービス型といえど料理や食事で使い終わった皿や調理器具などは自分で洗う必要があることです。日本のシェアハウスのキッチンで自分が使用したものを洗わない人間は日本人の住人には絶対に嫌われます。100%間違いなく嫌われますので、良好な人間関係を維持したいのであれば使用した食器や調理器具は必ずきちんと洗いましょう。
住人で役割を分担する「当番制(ローテーション型)」
5〜10人程度の小規模なシェアハウスに多い形式です。週替わりで「キッチン担当」「トイレ担当」などが決まっています。
メリット: 共益費が安く抑えられ、住人同士の連帯感が生まれます。月額 ¥5,000 ($33) 〜 ¥10,000 ($65) 程度で済むことが多いです。
デメリット: どの物件でもサボる人がほぼ間違いなく出てきますし、「清潔にする」という基準は人によって異なりますので人間関係のトラブルのもととなり、あなたの基準に合わない場合は精神的なストレスがかかります。
使った人がその場で片付ける「セルフクリーニング型」
明確な清掃業者が入らず、当番制でもなく、「使ったものは即座に洗う、汚したら拭く」という性善説に基づいた運営です。
注意点: このタイプは最も安上がりですが、住人のモラルに完全に依存するため、内見時に「現在の汚れ具合」を厳しくチェックする必要があります。
なお、私であれば選ぶのは「フルサービス型」一択です。
10人以下のシェアハウスに住んで少人数と濃厚な時間を過ごしたいという希望が強くない限り、フルサービス型を選ぶのをおすすめします。
フルサービス型であれば「掃除」に関するトラブルで人間関係が悪くなるという可能性は限りなく低くなります。
慣れない土地で、本来は避けられる人間関係のトラブルが発生するのは本当にストレスですので、よほど日本人の掃除の感覚に慣れていない限りはフルサービス型を選びましょう。
外国人住人が戸惑いやすい日本の「掃除の常識」とマナー
日本のシェアハウスで生活する上で、海外のシェアハウスと大きく異なるポイントがいくつかあります。これを知っておかないと、悪気はなくても「マナー違反」のラベルを貼られてしまうかもしれません。
自分で使用した食器や調理器具は使用後すぐに片付ける
先程も申し上げましたが、フルサービス型といえど料理や食事で使い終わった皿や調理器具などは自分で洗う必要があります。
特に夕食の時間などは混みますので、できればフライパンや鍋などは調理し終わったら食事を食べる前に洗ってしまいましょう。そうすれば、あなたが食事を食べている間も次の人がそれらの調理器具で食事を作ることができます。
キッチン周りの油汚れと排水溝の処理
日本では、調理に使用した油や、肉から出た脂をそのまま流すことを極端に嫌います。これはキッチンの構造上の理由で、日本のキッチンにはディスポーザーがついていない物件が殆どで、シンクが直接配管と繋がっているためです。
そのため調理に使用した油をそのままシンクに流すと、配管の中で油が冷えて固まり、下水管が詰まってしまうためです。
調理後のフライパンや鍋を置いておくと表面で油が白く固まるのを経験したことがあると思いますが、それが下水管の中で発生し、それが積み重なることで下水管が詰まると想像してみてください。
これを予防するために、調理後に出た油はキッチンペーパーや新聞紙で吸った後、燃えるゴミとしてゴミ箱に必ず入れるようにしましょう。また揚げ物などの料理をして大量の油が出るのが出るのが事前にわかっているのであれば、以下のようなアイテムを油の中に投入すると油がその場ですぐ固まるため、その塊を燃えるゴミとしてすぐに出せるようになります。

日本特有の細かいゴミ分別ルール
これが最大の難関です。日本では可燃ごみ、不燃ごみ、プラスチック、ビン、缶、ペットボトルなど、ゴミを細かく分別して出す必要があり、日本人にとっても頭の痛い問題です。
特にシェアハウスでは、誰か一人がルールを破るとゴミ集積所から回収されなくなることもあります。
地域によっては、ペットボトルのキャップとラベルを剥がすことも必須となります。
東京ではゴミ処理場のスペックが高いため分別は緩い場合が多いですが、地方はまだまだ分別が明確な場合が多いため、住んでいる地域のルールを遵守するようにしましょう。
深夜・早朝の掃除機や洗濯機の騒音トラブル
日本の住宅は壁が薄いことが多いため、掃除機や洗濯機の使用時間は厳しく制限されています。一般的に 午前8時から午後9時までが許容範囲。深夜に掃除機で掃除を始めたり洗濯機を使用すると、同じシェアハウスに住む仲間に迷惑がかかるので、掃除機や洗濯機の仕様は日中にするか、帰宅後すぐのあまり遅くない時間にすることを徹底しましょう。
掃除当番をサボるとどうなる?ペナルティの実態
フルサービス型以外の多くのシェアハウスでは、掃除ルールの実効性を持たせるためにペナルティを設けています。
- 共有スペースへの掲示: 当番を忘れている場合、ホワイトボードやグループチャット(LINEやSlack)で名前が挙がります。これは心理的にかなりのプレッシャーになります。
- 罰金の徴収: サボった回数に応じて、清掃代行費として ¥3,000 ($20) 前後が徴収されるケースがあります。
- 契約更新の拒否: あまりにも清掃を怠り、他の住人からの苦情が絶えない場合、管理会社は「共同生活に適さない」と判断し、契約更新を拒否(実質的な退去勧告)することができます。
掃除のストレスをゼロにするための賢い物件選び
シェアハウスでの生活が快適になるかどうかは、実は入居前の「内見(Viewing)」で8割決まります。ここでは、掃除が行き届いている「当たり物件」を見極めるためのチェックリストを公開します。
内見時にチェックすべき「張り紙」と「お風呂の角」
内見時、パッと見の綺麗さに騙されてはいけません。本当に管理が行き届いているかは、以下の「隠れた場所」に現れます。
- お風呂の四隅とパッキン: 赤カビや黒カビが放置されていませんか?水回りの汚れは、住人のストレスに直結します。
- 掲示板の内容: 「掃除をしてください!」という怒りの貼り紙が多い物件は、現在進行形でトラブルが発生しているサインです。
管理が行き届いている人気シェアハウスブランド
もしあなたが「掃除のことで同居人と揉めたくない」と強く願うなら、最初から大手運営会社が管理する物件を選ぶのが近道です。例えば、以下のブランドは清掃体制に定評があります。
- オークハウス(Oakhouse): 私も住んでいましたが、ほとんどの物件がフルサービス型の掃除システムですので、掃除に関してのストレスを感じたことはありません。また、独自の管理システムにより、清掃状況が可視化されています。
- ソーシャルアパートメント(Social Apartment): 週数回のプロ清掃が標準装備されており、ホテルのような清潔感が維持されています。
これらの物件は、初期費用として ¥30,000 ($196) 〜 ¥50,000 ($326) 程度の契約事務手数料がかかることが一般的ですが、掃除のストレスを金で買えると考えれば安い投資です。
まとめ:綺麗な環境がシェアハウスの人間関係を円滑にする
日本のシェアハウスにおける掃除は、単なる家事ではなく、「同居人へのリスペクトの表現」です。
¥1,000 ($7) 程度の掃除グッズへの投資や、入居前のちょっとした確認だけで、あなたの日本生活は驚くほど快適になります。
この記事があなたにぴったりの、そして清潔で居心地の良いシェアハウスを見つける手がかりとなるのを祈っています!

